独り追いかけっこ
独り追いかけっこ [
「あまり悩まなくて良いことを…ひどくむずかしく考えてたんだ…。」
ポツリポツリと話しはじめる。
「2人が仲良くしてる所が、まるで俺を拒絶してるように見えた。」
「3人は奇数だってことに、こだわりすぎてたのかな……。」
そう、始めはふとした疑問だった。
話に入れない時、ボーッと空を眺めてて、
空はとても青くて、雲が言葉を作ってた。
2人はどんどん先へ進んでた。俺は背中だけを見てた。
一瞬、浮かんだのが 孤独 の文字。
ただ、それが理由。
それからよくそんな事があった。
前からあったのかもしれない。
だけど、俺が気にとめなかっただけかもしれない。
とにかく、淋しかった。
2人が俺を置いていってしまうことに不安を感じた。
コレが始まり。
2人をゴールとした永遠追いかけっこ。
「ねぇ、一馬 結人 ・・・・・ 」
体を起こし、窓から外を眺めながら呟く。
「何?英士。」
「 俺は 2人が大好きだよ。 」
2人の前で初めて流した涙
冷えた頬に伝わって
温かいというよりも 熱かった。
同時に言った2人の言葉。
「俺も英士が大好きだよっ!!」
「当ったり前だ!!俺だって英士のこと大好きだからな!!」
2人は赤くなって顔を見合わせた。
「2人とも。仲いいね。」
俺は微笑み、2人はますます顔が赤らむ。
「ジョーダンだよ。」
でも・・・・
ちゃんと、気持ち伝わったよ。
本当に ありがとう。
結人。
一馬。
やっと 2人に届いた気がするよ。
俺の中で、
やっと 追いかけっこが終わったんだ。
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